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自治医科大学医学部病理学講座

包括病態病理学部門

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病理学講座包括病態病理学部門

ご挨拶

はじめまして。自治医科大学医学部病理学講座の福嶋敬宜と申します。病態病理学部門のホームページにお越しくださりありがとうございます。

この包括病態病理学部門は,2024年6月1日にできた新しい部門であり,このホームページでは、当部門における研究活動や教育方針などについて紹介していきたいと考えています。

|  包括病態病理学がめざすもの

近年、医学研究は急速に進展し、病理学分野も細分化が進んでいます。たとえば、ゲノム医療の発展により、従来の組織形態的分類を超えた分子レベルの分類が標準となりつつある分野も現れ始めました。

一方で、病理学が扱う疾患は広範囲にわたります。腫瘍性病変が占める割合は多いのですが、免疫異常、炎症性疾患、感染症,代謝異常など、特に高齢社会においては、これらが複合的に一人の患者の病態に関与するケースも増えています。

包括病態病理学分野は、診療部門である大学附属病院の病理診断部と密に連携し,「体の中で何が起こっているのか」を探求し続けます。そして,体の中で生じている多様な病態を包括的に思考することの重要性を再認識し、その考えを研究や教育そして診療活動に取り入れていくことを目指しています。

|  研究内容と興味

私の研究は,これまで主に腫瘍の前がん病変、初期病変に焦点を当て,特に難治癌の代表である膵胆道癌を主たるターゲットとして研究プロジェクトを進めてきました。その成果は、膵腫瘍分野で,WHO(国際保健機関)分類ブック(通称ブルーブック)の最終コンセンサス会議メンバーやICCR(国際がん報告書コラボレーション)の膵臓癌エキスパートメンバー,WHO胆膵細胞診レポーティングシステム作成の編集者に,それぞれメンバー唯一の日本人として招聘されたことにも表れています。

 

このような経験も生かし、本部門では、病理学・病理診断学を基盤として、疾患の本質を多角的に捉えて研究に取り組み,その成果を世界に向けて情報発信していくことを目標としていきます。

|  教育活動への取り組み

本部門では、医学部教育(基礎医学「病理学総論」「病理学実習」、臨床医学Ⅱ「臨床病理カンファランス」、必修および選択必修BSL)とともに、次世代を担う病理医の育成にも力を入れています。大学院生や研修医向けの講義や実習に加え、国際学会での発表や論文執筆の指導も積極的に行っています。

|  診療活動への取り組み

病理学講座の教員も全員、病理診断部の診療医員として附属病院の病理診断業務も兼務して行っています。詳しくは病理診断部HPへ。(https://www.jichi.ac.jp/pathology/)

|  社会活動への取り組み

自治医科病理部門を拠点として,2021年に一般社団法人PathPortどこでも病理ラボを設立して,地域の病理医支援,次世代病理医の育成に関する事業を行っています。
(詳しくはPathPortどこでも病理ラボのHP https://pathport.or.jp/

また,2024年には,この中に医学生・研修医向けの“病理”を軸にしたオンラインコミュニティPathPort-Jの運営も始めました。

これらを通じて,全国の多くの病理医,将来の病理医たちとつながり連携を深めています。

|  さいごに

包括病態病理学部門は、病理学研究の発展と、新しい医療技術の開発に貢献できるよう、努力を続けてまいります。本部門の活動にご理解ご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。また、組織レベルの病変観察を基盤に病態を深く考えてみたい大学院生を募集していますので,ぜひご連絡いただけたらと思います。

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自治医科大学医学部病理学

主任教授包括病態病理学

部門長 福嶋敬宜

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